50を過ぎたこの歳になっても、時に、ほんとタマに無性に食べたくなる時があるんですよね。
思えば自分がまだ17、8の頃に、その頃はサイカなんていう名前は無く『天理ラーメン』とか呼んでて、実家のある橿原市からパッソルに乗って、また時には先輩の330セドリックやケンメリに乗せてもらって通ったもんです。
その頃は確か市営プールの近くにあった様な。屋台に到着すると割箸をもらうと同時にカタコトの日本語を喋るおっちゃんから『ハイ、84番ねー』とか言われて自分の番号を覚えとかなあかんかったのを思い出します。
メニューも300円のラーメンだけやった様な。
それから後に500円の大が出て、屋台の場所も少し西に移動し、玉子やらチャーシューやらのトッピングが始まり、700円の特大が出て、彩華やらと言う名前がついて、あっちこっちに店舗が出来て、あまからアベニューやら言うテレビにも出演したりして…
それはそれでいい、時代の流れやねんからええねんけど、あの味はどこ行った?
カタコトで喋る中国人みたいなおっちゃんのつくる、肉も破片しか入ってない、白菜もシンだらけの、汁まで一気に飲み干してしまうほどほんまに旨かったあの味は? シャキシャキの食感は?
食べた後のおわんにポリバケツから自分ですくって飲んだ水の味はどこ行った?
きっと自分と同じように思っておられる同世代の方は限りなく多いはず!
お店のサイカはあくまでもサイカであって俺らの通った天理ラーメンではない。
せめて、未だにあの頃の味を少しは思い出させてくれる屋台だけはずっと残って欲しい。
願わくばあのおっちゃんの味をもう一度…