ビンテージと言うほども古くもないとはいえ、オリジナルのEYE2が1982年発売、EYE2プラスが1990年発売ですからそれなりに年月が経過したレトロなアイアンです。ゴルフ道具の進化も日進月歩で毎年のように新しい技術を搭載したものが発売されておりますが、なぜか惹かれるPINGのこのモデル。もちろんとっくの昔に絶版となっていますが、中古ショップやオークションではいまだに多くを取引されているのはやはりこのモデルが名器である事の証だと思われます。
こんなピンアイの魅力にはまった私は実戦で使用するセットも含めて、数セットのコレクションをしております。
レトロなピンというゴルフの愉しみ
PING EYE2とEYE2+のカタログスペック
PING | EYE2 | #1 | #2 | #3 | #4 | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | PW | SW | LW |
ロフト角 | 度 | 16 | 18.5 | 21.5 | 24.7 | 28.5 | 32 | 36 | 40.2 | 45 | 50.7 | 57.7 | 61 |
長さ | inch | 39.75 | 39.25 | 38.75 | 38.25 | 37.75 | 37.25 | 36.75 | 36.25 | 35.75 | 35.5 | 35.25 | 35 |
バウンス | 度 | -4 | -3 | -2 | -2 | 0 | 0 | 3.2 | 3.2 | 3.2 | 8.7 | 13.7 | 15 |
バランス | - | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 |
PING | EYE2+ | #1 | #2 | #3 | #4 | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | PW | SW | LW |
ロフト角 | 度 | 16 | 18.5 | 21.2 | 24.5 | 27.7 | 31.2 | 35 | 39.5 | 44 | 48.5 | 53 | 58 |
長さ | inch | 39.75 | 39.25 | 38.75 | 38.25 | 37.75 | 37.25 | 36.75 | 36.25 | 35.75 | 35.5 | 35.25 | 35 |
バウンス | 度 | -4 | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3.2 | 4.2 | 8 | 12 | 18 |
バランス | - | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 | C9-D0 |
ピンアイ2 ベリリウムカッパー
こちらが1982年発売、オリジナルのピンアイ2(BeCu)。一時は実戦投入もしていましたが、装着シャフトがマイクロテーパーで柔らかすぎるため、現在はコレクションとなっています。
オリジナルピンアイ2ベリリウムカッパー+マイクロテーパーシャフトの実測値
番手 | 総重量 | スイングバランス |
---|---|---|
S | 446g | D5.7 |
W | 434g | D4 |
#9 | 423g | D1 |
#8 | 417g | D1 |
#7 | 412g | D1 |
#6 | 406g | D1 |
#5 | 404g | D1 |
#4 | 399g | D1 |
#3 | 395g | D0 |
ピンアイ2プラス ステンレス
今まで長年使ってきたミズノMP-37に代わって現在実戦投入中。確かに距離は落ちるけど何故かスコアはいつもと変わらないか、少し良くなってしまう不思議なクラブ。そういえば過去に自己ベストを出したのもこのモデルのベリリウムカッパーとアンサーF プラチナレーベルの組み合わせでした。
ピンアイ2プラス ステンレス+KT-Mシャフトの実測値
番手 | 総重量 | スイングバランス |
---|---|---|
L | 466g | D4 |
S | 458g | D2 |
W | 451g | D0 |
#9 | 442g | C8.5 |
#8 | 436g | C8.5 |
#7 | 431g | D1 |
#6 | 423g | C8.5 |
#5 | 413g | C8.5 |
#4 | 412g | C8.5 |
#3 | 402g | C8.5 |
#2 | 393g | C6 |
世間の評価はオリジナルが上。でも自分はプラスが好き
オリジナルよりプラスが好きなところ、それはこのソール。唯一無二のソール形状が、ほんまにええ仕事してくれるんです。
ただ自分の所有するベリリウム銅のクラブは磨き過ぎてピカピカに光らせてしまっております。これはPING社の創始者であり、EYE2生みの親であるカーステン・ソルハイム氏(1911年-2000年)の考えである「太陽光が反射しにくい仕上げ」に反するものであるのはわかっているのですが、磨けば磨くほどに新品の10円玉のような銅独特の色合いになってなんともカッコよくなるので、ついついこのようにしてしまっております。
オリジナル アイ2のソール
これはこれで確かに優秀なソールだとは思います。その証拠に近年では復刻版としてEYE2 XGウェッジとかEYE2 GORGEウェッジとかが同じ形状で発売されていて評判も高い様です。でも・・
アイ2プラスの絶妙なソール
どうですか、このカタチ?人によっては「気持ち悪い」なんていう人もいるけど、なぜか自分とは相性抜群。もう、ウェッジ系は他に考えられないくらい。
過去に自己ベストを出したパター
クリスディマルコ選手も使っていたような・・。IsoForce ANSER F Platinum Labelです。
中央部にチタンニッケルのピンが124本インサートされています。私の腕ごときでは打感がどうのこうのといった事はわかりませんが、なにせ距離感が合いやすい良いパターでしたが、現在は使用せずコレクションになっています。
ピンアイ2プラスのリシャフト
手持ちのピンアイ2プラスBeCuを最新のクラブに負けないよう、リシャフトで蘇らせたいと思い、さっそくとりかかることに。予定クラブは2番からLまでの11本。どんなシャフトでどうするか、判断するためにもまずはバラして現状の測定。
番手 | ヘッド単体の重量 | 長さ | シャフト単体の長さ |
---|---|---|---|
L | 307g | 34.75inch | 33.75inch |
S | 302g | 35.25inch | 34.0inch |
W | 293g | 35.5inch | 34.25inch |
#9 | 283g | 35.75inch | 34.5inch |
#8 | 277g | 36.25inch | 35.0inch |
#7 | 270g | 36.75inch | 35.5inch |
#6 | 263g | 37.25inch | 36.0inch |
#5 | 256g | 37.75inch | 36.5inch |
#4 | 250g | 38.25inch | 37.0inch |
#3 | 245g | 38.75inch | 37.5inch |
#2 | 240g | 39.25inch | 38.0inch |
グリップ外しで30年経過したゴムのこびりつきに思いのほかてこずる
普段ならカッターを入れて瞬殺のハズが、これが30年の歴史なのか(笑)。カッチカチに硬化してこびりついたPINGの純正グリップを外すのに手こずりました。
外したグリップの残骸。とにかく硬いし、バラバラになるしで大変でした。
シャフト抜きは15分かからず完了
スチールシャフトやし、外したシャフトは捨てるし、仕事終わって夜中で眠たいし(笑)で少々手荒な感じですぐに完了。11本のシャフトを抜くのに15分とかかりませんでした。
まさに11本を瞬殺!
やはりこのセットもシャフトの中は錆で錆で錆錆でした。このまま使うといつ折れるかとても危険な状態です。いままで数多くのEYE2を見てきましたがほぼ例外なくシャフト内部はまっちゃっちゃでした。やはりこの年代のクラブを使うのであればリシャフトは必須です。事故が起こってからでは遅いですから。
ホーゼル内のお掃除と点検 ←これ大事
ワイヤードリルで丁寧にカスを取り去って、エアーガン。内部をしっかり点検して仕上げはアセトンでしっかり脱脂します。完璧な組立のためには大切な工程ですね。
ショートミドルアイアンの組み立て
熟慮が必要なウェッジ類は後回しにして、ショートアイアンとミドルアイアンの4番から9番を完成させました。
シャフトはKBSツアーの130Xをチョイス。KBSのシャフトって初めてなので、どんな感じなのか試打が楽しみです。
完成したショートミドルアイアンのスペック
番手 | 総重量 | スイングバランス | 純正KT-Mシャフトとの差異 |
---|---|---|---|
#9 | 457g | D0 | +15g |
#8 | 448g | D0 | +12g |
#7 | 441g | D0 | +10g |
#6 | 436g | D0 | +13g |
#5 | 427g | D0 | +14g |
#4 | 423g | D0 | +11g |
ウェッジ類はカーボンシャフトに決定
今回ウェッジ三本のシャフトは自身が好きなコンポジットテクノさんのウェッジ専用シャフトで決まりました。
WにはFire Express Wedge 120X
「構えた通りにヘッドが戻る」と評判のFire Express Wedgeファイアーエクスプレス ウェッジ 120Xです。カット前の単体重量は122gでした。
SとLにはFire Express Spirits S0.Sw 155
「バンカー脱出専用シャフト」という面白いコンセプトのFire Express Spirits S0.Sw 155ですが、これをサンドウェッジとロヴウェッジに装着してみます。カット前の単体重量は155gでしたが、これくらいの重量があると単体で持ってもズッシリと重さを感じますね・・。シャフトだけ持って振ってみるとブョョーンとした重柔シャフトといったかんじですね。
先端の肉厚がスゴいです。真ん中は柔らかくて先の剛性は相当高い感じ。この重量感からもとてもバランスの整った良いウェッジが出来そうな気がします。
ウェッジ完成
Wは総重量464グラムでD2。純正KT-Mシャフトと比較してプラス13グラム。
Sは総重量505グラムでD4。純正KT-Mシャフトと比較してプラス47グラム。
Wは総重量507グラムでD4。純正KT-Mシャフトと比較してプラス41グラム。
今回に限っては番手間のつながりは無視して組みましたが、ラッキーにも♯4からLまでいい感じのつながりになったように思います。
出来上がったPING EYE2+を打ってみました
グリップが乾いた翌日にいつもの練習場に行って打ってみたけど、予想を上回る出来の良さで嬉しくなりました。KBSツアーの130Xを挿した9番から4番は確かにハードスペック。自分は長くDG-X100をつかってきたので体感的にそれとの比較になりますが、X100に比べてもはっきりとハードさを感じるものの、決して振りにくくない。強く叩いてもヨレた感じがしないので方向性もブレないしで気に入りました。意外だったのが球が上がりやすい点。4番、5番でも7か8のような高めの弾道でしっかりキャリーも出る感じです。
でも、こんなに高い弾道でほんとにいいのだろうか?DGに比べて、はるかに高いしキャリーも出てるし。コースでこんなに高い球でいいのか、次回のラウンドで検証したいと思います。
肝心のウェッジ系は?
これはもう、はっきり言って他人に教えたくないくらい。EYE2+のW・S・Lなのでもともと良いのはわかっていても、これはもうまさに至高のウェッジが完成しました。文字で説明するのは難しいけど、とにかくいい。ファイアーエクスプレス ウェッジも抜群だけど、ファイアーエクスプレス S0.Sw 155の重柔らかいフィーリングで、力みなくゆったりアプローチできるのがいい。バンカー専用なんてもったいない、普通のアプローチでも最高で、距離も方向もピンポイントで狙い打ちできました。
ロングアイアンは一旦保留に
2番アイアンと3番アイアンは一旦保留とします。この番手はFWと距離がかぶってくるため先にウッド系をはっきり決めてから必要であれば考えたいと思います。それまでは部屋の置物で(笑)
懐かしいクラブですね。ベリリウムは比重が重たくまた錆びない金属でもありPINが目をつけて使い出したのではないでしょうか?
BSもカタログには載せておりませんでしたが、オールベリリウムがありました。
現在、BSの初代タンベック(フェース面がチタン、周りがベリリウム)を大切に持っております。
父親が6回ラウンドしたクラブであり遺品です。
あと、10年ぐらいするとこれに頼ることになりそうです。
コメントありがとうございます。
自分もタンベックという名前は聞いたことありますが、実物は見たことないです。ウッド系の進化には目を見張るものがありますが、アイアンって古くても性能はたいして遜色ないですものね。(リシャフトは必要かも知れませんが・・)
是非お父様の遺品をもう一度活躍させてあげて下さい。
Ping Eye2 に御造詣が深いよですが、私 手つかずのセットを所収しております。
20数年前アメリカ駐在のおり、持ち帰ったものですが、そのままにして今日まできました。
もし、ご興味のある方をご存知でしたら、ご紹介ください。
よろしくお願いいたします。
シャフトの種類とライ角の色目は何色でしょうか?よろしくお願いいたします。
パロケさん2年前の投稿ですがまだピンi2は所有していますか?
こんにちわ。44歳の沖縄在住の男性です。私もPING好きで、いろいろ買いそろえて楽しんでいます。
最近メルカリ「eye2 no+」を衝動買いしました。(笑)かっこいいですね!
しかし! W,Sのウェッジのソールを見てビックリです、「角角しい!」。なんだこの形は..
設計の意図がよく分からないのですが・・・
上級者向け? 初心者向け? ラフに強い? 逆にFWでは打ちにくい?
西川さん的には、この形の意図は何だと思われますか?
はじめまして! コメントありがとうございます。
確かに・・ no+のソールって激しく角ってますよね。私ごときが設計の意図などわかるはずもないという事を前提で・・ 海外の芝って洋芝じゃないですか。で、ボールが沈んでいる洋芝にも上からサクッと打ち込みやすい設計なのかななんて自分では思っています。
そちら沖縄のコースってどんな芝なんでしょうか?近畿地方ではほぼすべてのコースで、高麗芝なんですよ。(グリーンはベント芝が多いですが・・)
で、高麗芝って目が強くてフェアウェーだとボールが浮いているかんじで。そんな状態だと、自分の経験的にはno+より+のソールが打ちやすかったりします。でも、バンカーでのno+サンドの打ちやすさは圧倒的ですけれどね。
いやー PINGの古いクラブって魅力的ですねー。
ご返信ありがとうございます。
沖縄の芝は亜熱帯特有のネチネチした芝ですよ。名前はちょっとわからないんですが・・。このソールは合ってるかもしれませんね。
しかし、昨今のウェッジのグラインドブームを予見したような作りです。カーステンさんが30年前に作っていたとは・・。
はじめまして。
過去記事へのコメントで恐縮です。
ちょっと、お尋ねしたいことがありまして。
最近使わなくなったゴルフクラブを整理(Stay Home で掃除しちゃうパターンです…)していて
昔使っていたのを引っ張り出したところ、PING EYE2+(黒)でした。
当時(20年前くらいです)何もわからず、だれに勧められたのか定かじゃありませんが
ゴルフを始めようと購入した覚えがあります。
で、「中古で売れたりするのかな?」と調べていて、たどり着きました。
ヘッドの色からしてBeCuのようなのですが、ソールに Moon Valley と刻印があり
ネットで中古品をだしている方の写真に同様のものを見つけらず。
何かご存じでしたら教えていただけないでしょうか?
はじめまして!私自身は実物を見たこと無いのですが、「Moon Valley」と刻印のあるEYE2が存在する事は知っておりました。Moon Valleyはアリゾナにあるゴルフコースの様なのですが、ムーンバレィモデルについて詳しく記述されている方がおられますので貼り付けておきますね。→ http://ping-n-ping.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/moon-valley.html
ありがとうございます。
紹介いただいたURLで読む限り、ラグジュアリーな方向のモデルみたいですね。
定価はちょっとビックリでしたが…、そんな高価なもの買った記憶がないので。
中古品売買のサイトとかみていると、それなりに欲しい方はいらっしゃるようなので
出品してみようと思います。
情報、ありがとうございました。
先日中古ショップでピンi2の2番からSWまでの10本セット購入して今日早速コースデビューさせました。
グリップが当時のままなので固くなってて滑りましたが満足しました。
想像を遥かに超える満足度だったのでリシャフトも検討して本格的に投入を考えています。
小次郎さん書き込みありがとうございます。おっしゃる通り、アイ2って今も十分実戦的なクラブですよね。距離は出ないけれどスコアはいつもと変わらずみたいな。副産物として、使っているとスイングが良くなる様な気さえします。
恐らく中は錆だらけなので、シャフト変えて末永くご愛用されて下さい。